■不妊と肩こりって関係あるの?
それほどひどい肩こりだとは感じていなかったのに、美容院で「すごいコッてますね!?」と言われたことはありませんか? 自分の体が他の人と比べてこっているかどうかは、他人に指摘されてみないと分かりませんよね。「肩こりなんて誰でも感じているだろうし、妊活とは関係ないんじゃないの?」と思ったあなた。もしかしたら、ご自分の肩こり度を正しく感じていないかもしれません。 人の感覚というのは、同じ刺激を与え続けると慣れて感度が鈍くなるという特性を持っています。長年かけて蓄積された疲労に慣れてしまうと、状態が良かった頃、もっと軽い力で動くことができたときのことを忘れてしまいがちに。たかが肩こりと思うかもしれませんが、「こり」は周囲の血流を妨げたり、血行不良による不快な痛み信号がストレスとなって、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、全身の血流の悪化など、妊娠をさまたげる症状を引き起こす要因になります。
■「疲れが取れにくくなってきた」は要注意
自分では悪いところはないつもりでも、毎日人の体に触れている治療者からすると、今すぐケアをはじめた方が良いという状態の方はたくさんいらっしゃいます。そして、こり固まっているのは肩だけではない場合がほとんどです。肩・背中・腰までヨロイを背負っているような状態にもかかわらず、自覚症状はなく、「そう言われれば最近疲れが取れにくいと思っていた」という方も。こりが進行しすぎて、どこが辛いのかすら分からなくなってしまった方によく見られる症状です。また、スマートフォンの使いすぎの影響か、最近では四十肩の若年化が進んでいるようで、「急に腕が挙がらなくなった」と駆け込んでくる方が増えています。ですがそれは急にではなく、放置していた「こり」や疲労が蓄積されて起きた結果であって、それくらい自分の体への慣れというのは気づきにくいものなんですね。 そしてこれは治療者側からでないとわからないことですが、体がほぐれるスピードが速い方は、不妊治療にかかる期間も短い方が多いです。たとえカチカチの状態からのスタートだとしても、その事に気がついて、何に気をつければよいのかを理解していただくことで、こり固まった体は変えられます。だからこそ、まずご自分の体の状態を知ることからはじめていただきたいのです。 妊活中は、冷え対策や栄養バランスの取れた食事などに気をつけている方は多いと思います。もちろんそれも大切ですが、実は肩こりを代表とした、「自分で思っているより悪い状態」が心身に及ぼすストレスに早く気がついて、それを取り除くことが、妊娠しやすい体になるための第一歩なのです。